家計簿の費目は固定費と変動費の2つに分類したらダメ!家計の見直しができない理由。
固定費と変動費の2つに分けると家計は見直せない!
家計簿歴36年なりました。
また、1級ファイナンシャル・プランナー歴は10年になりました。
家計簿インストラクター、かつ、家計簿FP(ファイナンシャル・プランナー)おおきです。
さて、家計の固変分解(固定費と変動費への分解)において、いろいろ検索してみると、固定費と変動費の2つに家計を分類している記事がほとんどですね。
調べてみて、正直驚きました。
なぜ、固定費と変動費の2つに分けるのか?
その分け方で、ほんとうに家計の見直しはスムーズに進められるのか?
固定費と変動費に分けて家計簿を書いてみても、家計改善ができないとお悩みの方は、この記事を最後までぜひ読んでみてください。
改善できない理由が明確になるかもしれませんよ。
目 次
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家計簿の費目を固定費と変動費に分ける理由
まず、確認しておきたいのが、家計簿の費目を固定費と変動費に分ける理由です。
なぜ、固定費と変動費に分けるのでしょうか。
なぜ固定費と変動費に分けていますか?
この理由は、いろいろ調べましたが、みなさんの記事ほぼ一致していました。
家計の分析をして見直しに役立てるためです。
この目的に異論はありません。
そうですよね。
家計が苦しい、もしくは、もう少し多く貯金に配分したい等の理由から家計を見直したいと思うのでしょうから、現状の家計の分析をすることは大事になります。
さらに、その分析をもって、どう見直していくかの決定をしていくことは重要となります。
家計簿の費目を固定費と変動費へ分解する方法
固定費と変動費へ分解する方法ですが、この辺りは、みなさんの方が詳しいかもしれませんね。
まず、一般的な分解定義は、毎月発生するか否かです。
固定費は毎月発生する支出で、住居費や水道光熱費などを指します。
毎月発生する一定額の支出と定義している記事もあります。
水道光熱費の月変動額分ぐらいは変動なしとみなすのでしょう。
一方、変動費は食費、日用品費、レジャー、衣服費など毎月支出金額が異なる支出を指します。
このような固定費と変動費の一般的な分類に対して、当協会の家計管理では固定費、変動費(変動固定費)、やりくり費の3つに分類しています。
家計簿の費目を固定費と変動費へ分解するための定義の違い
これは、分類するカテゴライズの問題です。
当協会の家計管理では、
▶固定費は毎月一定金額の支出
▶変動費(変動固定)は毎月支出があるもので、金額の変動がある支出、
▶やりくり費を手許で管理する食費や日用品などの生活支出
と定義します。
なぁんだ。
固定費をさらに分解して細かくしただけだね。と思うのは早計です。
このように分類すると、その家庭の生活スタイルが良く見えてくるのです。
なぜなら、固定費は住居費やカーローンなど生活レベルが大方決まってくる支出だからです。
変動費(変動固定費)は、水道、ガス、電気、通信などライフライン支出と見ることができますよね。
そして、やりくり費。
これは、後で解説することにしましょう。
費目を固定費と変動費の2つに分類したときの問題点
先に、固定費と変動費の2つに家計簿の費目を分類したときの問題点を考えていきましょう。
ここの問題が生じているから、家計の見直しがなかなか思うようにいかないのです。
どのような問題が生じているのか?
一言でいえば、固定費と変動費の2つに家計簿の費目を分類してしまうと、家計の問題点が見えにくいということです。
固定費の中には見直し効果の大きなもの、節約効果の小さなものが混在しています。
どういうことか、3つに分類しながら見ていきましょう。
3つに分ける場合の固定費は、住居費やカーローン、習い事、小遣いなど毎月一定額の支出でしたね。
これらの支出によって、生活のレベルが大方決まってきます。
ということは、生活レベルを下げればコストカットできるということです。
また、コストの圧縮幅が大きいという特徴があります。
変動費(変動固定費)は、ライフライン支出ですから、大幅なコストカットは難しい類の支出です。
多少の節約はできても、水道やめます!とか、電気代半減!というわけにはいきませんよね。
それに、家計管理に四苦八苦している人は、多かれ少なかれこのような支出は節約意識を持ってすでに取り組んでいます。
しかし、このようなタイプの異なる支出を固定費でくくってしまうと問題点が見えなくなってしまうのです。
そのため、家計の見直しというと、手っ取り早く水道光熱費に取り掛かって、節約効果が少ないうえに大きく疲弊してしまいがちです。
固定費から家計を見直す
3つに分類してみると、固定費から見直すという意味がしっくりくるのではないでしょうか。
生活水準を押し上げている固定費の支出を見直すことによって、家計がグンと楽になります。
変動費(変動光熱費)は、節約効果が少ない項目なので、後回しでもいいわけです。
とはいえ、垂れ流してもいい支出ではありませんから、節約意識はもちろん必要ですね。
固定費と変動費の2つに分類してしまうと、固定費の中にこれらが混在してしまい、費目も多くなるので、見直し項目の検討が付きにくいという問題が生じます。
すると、繰り返しになりますが、私たちは手っ取り早く水道光熱費に取り掛かって、節約効果が少ないうえに大きく疲弊してしまいがちなのです。
では、次にやりくり費を見ていきましょう。
変動費とやりくり費の違い
一般的な分け方では、変動費が食費などを指しました。
大事な部分ですので具体的な項目を例示しましょう。
食費、日用品費、医療費、レジャ費ー、交際費、帰省費などの特別費、冠婚葬祭など。
これらを変動費として扱うといろいろな記事では示されていました。
しかし、毎月の家計から帰省費出せますか?
今月は結婚式があったから、食費節約しなきゃ。
で、解決できる金額ですか??
これらの費目を変動費として月の家計にくくってしまうと、それはそれは、管理が大変すぎる状態を生むことになるのです。
当協会の家計管理法では、やりくり費は、食費、日用品費、その他(医療費や多少の雑費など)としています。
レジャー費や交際費、帰省費などイレギュラー支出は別途管理できるよう仕組みを取り入れています。
詳しくは他記事を参照ください。
そのため、管理する項目は基本生活支出だけです。
こうすることによって、基本的な生活をするための費目に十分お金をまわせているのか否かが見えてきます。
もし、配分できていなければ、やりくりの問題ではありません。
固定費が膨らんで生活水準を挙げてしまったための問題と見当をつけることができるのです。
家計を見直すための分類法のまとめ
簡単にですが、分類定義によって家計の見直し個所がよくわかるようになることをお伝えしました。
ただ分類するのではなく、目的をもって、また、それを達成させるための分類を行うことが大事です。
固定費、変動費、やりくり費に分け、基本生活費以外は別途管理する方法をとると、わが家の実態が見えてきます。
実体が見えることによって、はじめて見直し個所も見えてきます。
まずは、わが家の支出項目を固定費、変動費、やりくり費の3つに分けてみることをおススメいたします。
また、このような家計簿の書き方にお悩みがあるようでしたら、講座で学ぶのもオススメです。
下記の家計簿講座では、家計管理を行うための家計簿の書き方を一通り学べます。
貯金できる家計簿のつけ方を知りたいと思われましたら、ぜひご活用ください。
FPおおき
1級ファイナンシャルプランニング技能士
家計簿歴36年の家計簿FP(ファイナンシャルプランナー)