家計簿は必要ない!は、ほんとう?家計簿なしでも貯蓄はできる?
家計簿なんていらない!は、ほんとう?
一般社団家計管理推進協会 家計簿インストラクターのおおきです。

家計簿を学ぶ講座(2級)
家計簿をつけなくてもお金は貯まる。
家計簿が苦手な人にとって、なんとも嬉しいお話しです。
家計簿をつけなくてもいい。
面倒なことから解放される。
そのうえ、貯金ができる。
魅力的ですよね。
家計簿無しでほんとうに貯蓄家計になれるのでしょうか。
今回は家計簿の必要性について考えていきたいと思います。
目 次
家計簿つけてもお金は貯まらないから家計簿はいらない
家計簿をつけているけれども、一向にお金が貯まる家計にならない。
そんな声をよくちょうだいします。
結論から言えば、家計簿をつけたからと言って、貯金できるようにはなりません。
なぜなら、家計簿への支出の記帳はあくまでも記録だからです。
とはいえ、じゃあ、家計簿いらないね。と慌てないでくださいね。
家計簿を書くのはなぜ?
野球に例えて考えてみますね。
野球にはスコアブックがあります。
これは、試合内容を記録する帳面です。
1球ごとに記入します。
スコアブックを書きなれてくると、ボール、ストライクだけでなく、球種(ストレート、カーブなど)もつけられるようになります。
さて、このスコアブック。
つけたら、次の試合は勝てるようになるのでしょうか?
もし、そうであれば、全球団つけるでしょうから、引き分けだけになりそうですね。
必ず勝てるわけではないのに、なぜ、スコアブックをつけるのでしょうか?
家計簿をつける理由は「記憶は曖昧。記録は正確」
家計簿の母である羽仁もとこさんの言葉にこんなものがあります。
「記憶は曖昧。記録は正確」
もし、なんらかの情報を元に計画や戦略を立てるのであれば、正確な情報が必要になります。
先の野球の例で言えば、このピッチャーはストレートを多く投げるとか、左打者に打たれているな。
なんて情報がスコアブックの中には大量にたまっていくわけです。
あとは、それを活用する人が、どのように情報を活かすかですよね。
もし、そのような情報がなければ、記憶に頼るしかなくなります。
前はこうだったような……
確か、こんな感じだった気が……
あやふやなイメージに基づいて判断しなければならなくなってしまいます。
家計簿をつけていないと曖昧な記憶が判断のベースになる
記憶されたイメージと記録された情報が、一致しないことは珍しくありません。
いや、多くの場合、一致しません。
家計簿をつけていない人が自己申告する支出額や赤字額は、必ず実際額よりも過少です。
食費が5万円くらいといえば、8万円程度はあります。
赤字が3万円くらいかなといえば、5万円程度は発生しているでしょう。
実際に記帳してもらい、その金額を把握されると驚かれます。
自己の持つイメージと大幅に異なるからです。
その不正確な情報に基づいて行う判断をベースにする戦略は、わが家の味方になるものでしょうか。
言い換えれば、貯蓄できる家計に導いて行ってくれるものでしょうか。
家計簿が必要な理由は、家計をきちんと把握するため
一年分の支出を費目ごと、月ごとに記憶し、必要のあるごとに活用できるデータベースのある脳みそを保有している超人はまずいないことでしょう。
そうであれば、記帳しその正確な情報を活用できるように保有していくことは大事だといえます。
昨日のお昼ごはんさえ思い出すことができなかったりする私たちですから。
家計簿をつけておらず曖昧な記憶に基づいて判断を行えば、判断した結果も揺らいでいるものになります。
私たちは特に支出は少なく見積もる傾向があります。
節約しているつもり
食費を抑えているつもり
でも、お金がない。
このような状態の原因は先にも挙げた通り、記憶されたイメージと記録された情報が一致しないからです。
家計簿の情報をもとに家計を組み立てるために家計簿は必要
家計簿をつける必要があるのは、正確な情報を得るためです。
では、得た情報をどのように活用したらいいのでしょうか。
家計管理の基本はシンプルです。
収入の範囲内で将来のための貯蓄と現在の生活支出を賄います。
家計簿をつけて家計の支出を正確に把握できたら、収入の範囲内で賄えているかどうか検証しましょう。
その際に、大事なことは、将来のための貯蓄分もきちんと確保することです。
今までの家計は支出をどんどん積み重ねてできあがっていますよね。
気が付けば収入よりも支出が上回っている状態の家計になってしまっています。
これを、収入の範囲内で支出(将来のための貯蓄も含む)が賄えるように設計しなおしましょう。
貯蓄するためには家計簿は必要
貯蓄するための基本ルールは収入>支出(将来のための貯蓄も含む)です。
家計に何か変動があった場合でもすぐに家計内容を修正できると収入>支出(将来のための貯蓄も含む)を保つことが可能です。
そのためには、家計の内容をきちんと把握していることが大事になります。

家計簿を学ぶ講座(2級)